4. 血液透析、CAPDについて

■透析

 腎臓は体に不可欠の働きをしていますから、末期腎不全になって腎臓がほとんど働かなくなったら生きていくことはできません。体の血液を浄化する働きを腎臓に代わって行う人工的な方法が透析です。透析によって生命を維持することができ、ある程度までは普通に生活することが可能になります。しかし、透析によって腎臓の機能が回復するわけではなく、生涯透析をやめることはできません。透析から解放されるのは、腎臓移植が成功する場合だけです。
 透析では腎臓の機能を完全に代替することはできません。透析を長く続けるほど合併症としてさまざまな問題点が生じてきますが、20年以上も透析を続けている人が約12,000人、最長の人は35年を超えています。

■透析の2つの方法

透析の方法は大きく分けて、血液透析と腹膜透析の2つがあります。血液透析は機械に血液を通して濾過するもので、腹膜透析は自分のおなかの膜を濾過装置として使います。血液透析を行っている人が圧倒的に多く、慢性透析患者約22万人のうち、腹膜透析を受けている人は9,000人未満にすぎません(2001年12月末現在)。

■血液透析の実際(図)

■内シャントとブラッドアクセス(図)

血液透析を行うには1分間に約200ミリットルの血液をダイアライザーに循環させる必要があります。これだけの血液量を確保するため、手首近くの腕の動脈と静脈を手術でつなぎ合わせることによって、血管を太くします。これを内シャントといい、血液の取り出し口をブラッドアクセスといいます。内シャントは手術後2週間ぐらいたってから使用することが望ましいので、計画的に手術を行います。
 内シャントを長期間使用していると、血管がつまったり細くなって使えなくなることがあります(シャント障害)。日常、内シャントを圧迫したり衝撃を与えないよう、注意する必要があります。
 内シャントがつくれない人や、つまった人には動脈直接穿刺や足の付け根の静脈にカテーテルを入れて、ブラッドアクセスにする方法が使われます。

■ドライウェイト(透析時基本体重)と体重の変動

透析を受ける患者さんは尿がほとんど、あるいはまったく出ない状態なので、摂取した水分は体にたまり続け、その分体重が増加します。透析を受けると体にたまった余分な水分を除くので、その分体重が減りますが、水分の除去が過剰になっても不足してもいけません。体の中の水分が適正な状態をドライウェイトといい、この体重を基本にして水分を除去します。
 透析の間の体重の変動は、中1日で体重の3%以内、中2日で体重の5%以内にすることが原則です。

■長期透析の合併症

 日本の透析医療は大変進歩していますが、腎臓の機能を完全に代替することはできないので、さまざまな合併症が出てきます。個人差がありますが、一般に次のようなものが知られています。

■血液透析の問題点

■腹膜透析の原理(図)

 透析の装置として、機械ではなく自分の体の中にある腹膜を使う方法です。腹膜はおなかの内面にあって、胃や腸などの臓器を覆っている薄い膜です。その面積は成人で20,000平方センチ以上あり、毛細血管が表面に網の目のように分布しています。この膜を透析膜として使用し、おなかの中に管(カテーテル)を通して透析液を入れておくと、血液中の老廃物や不要な水分、電解質などが透析液の中ににじみ出てきます。一定時間たつとこの液を体外に排出し、新しい透析液を入れます。

■カテーテル手術

 透析液を出し入れするため、最初にカテーテルというチューブ(直径約5ミリ)をおなかの中に埋め込む手術をします。感染を予防するため、毎日カテーテルケアをして、出口の部分とカテーテルを常に清潔に保っておく必要があります。

■CAPD

■CAPDの長所(血液透析との比較)

■CAPDの問題点(血液透析との比較)

■血液透析とCAPDの栄養基準(1日量)(日本腎臓学会)

  血液透析 CAPD
エネルギー 標準体重*1kgあたり
30〜35kcal
標準体重*1kgあたり
29〜34kcal
透析液から吸収されるブドウ糖のエネルギー量を含む
たんぱく質 標準体重1kgあたり
0.15g
標準体重1kgあたり
1.1〜1.3g
食塩 現体重1kgあたり
0.15g
CAPD除水量(1)×7.5
出た尿の量100mLあたり0.5g追加
カリウム 1.5g 2.0〜2.5g
食事外の水分
(食事時のスープ、お茶などを含む)
現体重1kgあたり
15mL
尿が出る場合は、出た分の水分を追加できる
CAPD除水量と同じ
出た尿の量を追加
リン 700mg 700mg
カルシウム 600mg 600mg

※標準体重(kg)=身長(m)の2乗×22

■Q&A


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